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哀歌 |
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ああ、精金にも比すべきシオンのいとし子らは、 陶器師の手のわざである土の器のようにみなされる。 |
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山犬さえも乳ぶさをたれて、その子に乳を飲ませる。 ところが、わが民の娘は、 荒野のだちょうのように無慈悲になった。 |
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哀歌 |
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乳のみ子の舌はかわいて、上あごに、ひたとつき、 幼な子らはパンを求めても、これに与える者がない。 |
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哀歌 |
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うまい物を食べていた者は、 落ちぶれて、ちまたにおり、 紫の着物で育てられた者も、 今は灰だまりの上に伏している。 |
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哀歌 |
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わが民の娘のうけた懲しめは、 ソドムの罰よりも大きかった。 ソドムは昔、人の手によらないで、 またたくまに滅ぼされたのだ。 |
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哀歌 |
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わが民の君たちは雪よりも清らかに、 乳よりも白く、 そのからだは、さんごよりも赤く、 その姿の美しさはサファイヤのようであった。 |
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今はその顔はすすよりも黒く、 町の中にいても人に知られず、 その皮膚は縮んで骨につき、 かわいて枯れ木のようになった。 |
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哀歌 |
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つるぎで殺される者は、 飢えて死ぬ者よりもさいわいである。 彼らは田畑の産物の欠乏によって、 刺された者のように衰え行くからである。 |
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わが民の娘の滅びる時には 情深い女たちさえも、 手ずから自分の子どもを煮て、それを食物とした。 |
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主はその憤りをことごとく漏らし、 激しい怒りをそそぎ、 シオンに火を燃やして、 その礎までも焼き払われた。 |